巡る物語

2003年4月中旬僕は商店街を歩いていた。
春の終わりの商店街は適度な気温で半そででも寒くはない感じだった。
僕が商店街に来たのは出会いを求めるわけじゃなくただの買い物をしに来たからなのだが。
僕は大体買い物の時はその商店街に行っている。
そんな時電気屋の前で3人くらいの人が配っているものがあった。

それは、YahooBBのモデムだった。

僕はそのときまでパソコンを持ってるだけインターネットには繋げていなかったからそれが何なのかわからなくてそこにいた人たちに説明を聞いた
話ではADSLという回線に月額安くインターネットに繋げられるというもものだった。
「インターネット?」といわれてもピンとこなかったんだけどとりあえず持って帰ることにした。
繋げ方はすぐにわかったが僕の思うところがあってしばらくは何もしなかった。
モデムについてたゲームは"リネージュ”というゲームではじめそれが何なのかはわからなかったけどRPGということだけはわかった。

そしてインターネットにつなぎリネージュをインストールした。
僕の誕生日までインターネットにつなぐのも我慢していたからそのときのことはよくわかる。
そしてパソコンにリネージュをインストールした。
初めてリネージュを起動したときに“Sirius”・“Canopus”・“Vega”・“Arcturus”・“Rigel”の5つのサーバーがあって僕はNON-PvP(対人戦なし)の“Vega”サーバーに接続した。
キャラクター作成画面では特に何も考えずに“Steel2003”というナイト(魔法が使えない戦士系のクラス)を作った。
始めはそれこそ右も左もわからなかった、何をしていいのかも。
初めてみたときは“ワールドネバーランド”というゲームみたいだな、と思ったりもした。
そんなときに鍛冶屋の前にいたのが”瀬音"さんだった。
ほかの人をやってることを真似して右上の出口からかかしをたたきに行った
かかしをたたいてもLv5までしか上がらずそれ以上は野にいるモンスターを狩ることになるのだが。
だけどすぐに飽きてきて“隠された渓谷”のガードをたたいて遊ぶ事に熱中した。
僕の奇行(隠された渓谷のガードをたたいて遊ぶ)をみて「楽しい?」と聞いてきたのを覚えてる。
その人はよくそこにいて僕も狩りに飽きると一緒に鍛冶屋の前で休憩していた。
まあ、その人と一緒にいるのが楽しかったからなんだけど。
そんなこんなでしばらくは一人、もしくはパーティーを組んで狩りをしていたのを覚えてる。
ナイトにはLv24で飽きてしまってお金稼ぎのために“スティー”というエルフを作った。
リネージュでエルフというクラスは“エルフの森で”エントを叩いてエントの実を出したりパンを叩いてパンのタテガミを出したりすることができる。
そうしてアイテムを収集して完成品を高く売ればお金が儲かるという仕組みだ。

ただ
今の人は信じられないかもしれないが
当時の商売は便箋に取引するアイテム名を書いて床に置いて看板にして、アイテムトレードという形で商品をやり取りするといったものが商売だった。
ので、放置商売ができなかったんだ。

“瀬音”さんは新ギルド(リネージュではクラン・血盟という)メンバーを誘うために“隠された渓谷”に来ていた。だから僕もそのギルドに入ることにした。

“ハートのA”というギルドに

“ハートのA”の活動は毎週土曜日23時からシルバーナイトタウン道具屋上に集合してパーティーを組んで狩りに行くといったもので始めての友達との遊びはとても楽しかったのを覚えてる。

時には攻城戦に参加して給料をもらったこともある
攻城戦については“ウェルダン”の“ドワーフ城”が舞台で100人以上のメンバーが同じギルド(リネージュではクラン・血盟という)に所属してタワーを防衛するのが仕事で、タワーを壊されてクラウン(王冠)を取られたら今度は挑戦者側になってタワーの周りを防衛している人たちを倒してタワーを壊しに行く
それが楽しかった、ある人の感想ではモンスターに倒されるよりも戦争で倒されるほうが何度でも挑戦してやるという気概が湧くらしい。
僕もそう思った。

ある時、僕は“わんこ隊”の“双極”さんと知り合った。
だから僕は“わんこ隊”に入るために“エルペス”というCON(体力にステータスを振った)エルフを作った。
“Steel2003”はCON(体力にステータスを振った)ナイト
“スティー”はDEX(器用さにステータスを振った)エルフ
なぜ体力にステータスを振ったのかというとPOT(体力回復のアイテム)が沢山持てなかったのが理由だ。
攻撃力は落ちでしまったが死ににくくはなった。
“わんこ隊”の活動はもう覚えていない
だけど寝落ちが多くてそれに沿ったタイトルをつけられてしまったのを覚えてる。

しかし“ハートのA”の活動は次第に減少していき2006年その幕を閉じてしまった。

そのころには新しいウィザード(魔法を使えるクラス)を“クレスカイン”という名前で作り別のギルド(リネージュではクラン・血盟という)に入っていた。
クランの名前はもう覚えていないけど“刹牙”さんのクランは大変だったのを覚えている。
ウィザードというクラスが大変なだけだったのかもしれない。
パーティーメンバーの回復役という重大な役目を背負っているからだが。

そして僕はストレス解消のために“エリスコート”というナイト(魔法が使えないクラス)を作った。
GGP(速度が加速するアイテム)とBP(速度が加速するアイテム)を組み合わせて使って“俺TUEEEE”ができて気持ちよかった。

そうそう、“エリスコート”でも“聖光騎士団”というクランに入って活動していた。
そのクランではあまり活動していなかったけどそれなりに楽しかった。
時間が過ぎたある時ウィザードで入っていたクランが解散した。
僕は“クレスカイン”での活動を中断し“エリスコート”での活動に集中した。
そのころにはすでに狩りをする気をなくしておりアカウント維持のためのタイムチケットしか購入していなかった。
当時のリネージュは月額課金で1ヶ月1980円のお金がかかった。
タイムチケット課金は10時間500円30時間1200円のお金で済んだ
あまりログインしない僕にはちょうどいいシステムだった。

そして“聖光騎士団”は解散した
僕はついに行き場をなくしリネージュにログインしなくなった。

しかし“クレスカイン”でまたクランに入ったやっぱりウィザードは回復の練習だったけど僕を誘ってくれて一緒に狩りをしてくれたから楽しかった

そして
しばらくネットにつなげなくなってしまった。

久しぶりにしたことはリネージュの確認だった
そのときにクランを追い出されてしまったんだ。
リネージュに居場所をなくしてしまった僕は再びクランに入るまで時を待たなければいけなくなった。